ずっと前に名前だけ聞いたことのある『ローマ法王に米を食べさせた男』を読みました。
読んだ本について
題名:ローマ法王に米を食べさせた男
著者:高野誠鮮
発行年:2012/4/5
出版社:講談社
読了時間:3時間
あらすじ
石川県羽咋市の職員が限界集落神子原地区を再生するためにその土地で古くからやっている稲作を足掛かりに地域の活性化を成功させるまでのプロセスを振り返る。公務員としての実行力を発揮する方法のひとつのロールモデル。
感想
物事は実践することに価値があると思わせられた本でした。とにかく思い付いたことを片っ端からやっていき、失敗も糧にして貪欲に進んでいく推進力、闇雲ではない自分のメソッドに乗っ取り成功させていく過程は読んでいて爽快感がありました。ある意味ハッピーエンドでこれからも成長していけるという希望が見てとれたからかもしれません。
まずすごいと思ったのは、市長に直談判して稟議書を事後決裁にしたことです。もちろん成果をだすことが必須で失敗すれば周りや場合によっては市長も糾弾されかねないなか承諾を得られたことは強みですね。公務員はとにかく根回し味方作りは必須です。副市長とはよくぶつかっていたようですがその上の市長が許可していれば話は通りやすいものです。また、迅速に物事を進めるのに稟議書でやるのは本編にもかかれていましたが本当に説明に時間がかかるので、それに関わっている間に時期を逃したり結局毒にも薬にもならない制度になったりしますしね。
次は、マスコミなど情報の発信や逆に様々な人脈からの情報収集の重要性を理解し、活用しているところです。なるほどなあ、と思ったのは身近な人の意見ほど過小評価するので外堀を埋めるために遠くから情報発信するというところです。確かに地元で言っているだけだと「どうせ手前味噌でしょ」と私も思っちゃうかもしれませんが、別の地域の人から「あなたの町のここが素敵」といわれたらそうなんだ!ってなりそうです。それをするために、著名人に国内外問わず手紙をだすのも自分にない視点でした。収集についても色んな先人の視察を(ステークホルダーを巻き込んで)したり、誰かに相談したりと1人で悶々と考えている時間が少ないように見えました。生きた情報は頭で考えている時間よりも有益なのかもしれません。
正直な話これらを自分が出来るかと言われれば難しいなと感じてしまうことはありましたが、仕事をする上でこんなやり方もあると知れたので良かったです。
自分は良く出来ない理由探しをすると言われますのでこの人の十分の一でも行動して仕事も人生も豊かにしていけるよう努力したいです。
この本をおすすめする人
○公務員をやっていてやりがいを感じないなあと思う、プロジェクトの立ち上げ方や利害関係者の巻き込み方のヒントを得たい人
○ローマ法王にお米を献上することになった経緯を知りたい人
○限界集落がどうやって復活したのか、どんな取り組みをしたか興味のある人
○スーパー公務員の功績を知りたい人
興味があったら読んでみてください
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